2006年11月09日

 「ハカヌトゥドゥミ(墓の留め)」 沖縄の冠婚葬祭

「ヌジファ(抜き霊)」が終わると、次は「ハカヌトゥドゥミ(墓の留め)」である。
 「ハカヌトゥドゥミ」とは、「沖縄の御願ことば辞典」(高橋恵子著)によると「墓が完了したときの報告をする御願」と書かれている。
 しかし、昨日行った「ハカヌトゥドゥミ」は、叔父が亡くなり、納骨のために墓を開けたので、その終わりを告げる御願とのことである。御願は、方言で「ウグヮン」という。

 御願を行うところは、納骨した墓である。
 早速、準備したお供え物を持って墓に向かった。
 墓は、宮城島桃原部落の北西側の傾斜地にある。
 墓庭は一つで、西側は本家、東側は叔父の父母と兄弟の墓である。

「ハカヌトゥドゥミ」でのお供え物

 墓に着くと、まずは叔父の遺骨が入った墓にお供え物をし、御願が始まった。
 やり方は、「ヌジファ」のときとほぼ同じである。
 次に、本家の方の墓で御願を行う。

 沖縄地方は、ほとんど雨が降らない関係で、墓庭は蟻だらけである。
 一緒に行った叔父たちは、蟻と格闘しながらの御願であった。
 御願が終わり帰るときは、皆が先に墓から出て、最後に「ユタ」出て、「ハカヌトゥドゥミ」は終わるのである。

「ハカヌトゥドゥミ」の様子

 沖縄の御願(ウグヮン)に関しては、それを行う「ユタ」によって方法やお供え物などが違う。 また、同じ「ユタ」がやる御願を何回も見ていると、その都度少しづつ違うのである。
 特に厄介なことは、予め準備するものである。
 前日でちゃんと教えてくれたらとても助かるのだけれども、思い出したかのように、必ずといっていい程、当日に言い出すものがあるから厄介だ。

 沖縄の「ユタ」は高齢化しているので、すぐには思い出せないからかもしれないが?
 それならば、御願や法事についてのマニュアルを作ってくれたらとても助かるが・・・!
 しかし、これはもっと大変だろう!


★「ヌジファ」や「ハカヌトゥドゥミ」について詳しいことは、「暮らしの中の御願(ウグワン)」「沖縄の御願ことば辞典」をご覧ください。

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Posted by Seijun Kina at 22:32│Comments(0)沖縄の冠婚葬祭
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